界: Input Validation and Representation

入力の検証や表現の問題は、メタキャラクター、代替エンコーディング、数値表現などによって引き起こされます。セキュリティの問題は、入力を信頼することに起因します。この問題に含まれるのは、「Buffer Overflow」、「Cross-Site Scripting」攻撃、「SQL Injection」などです。

Android Class Loading Hijacking

Abstract
信頼できないソースから、または信頼できない環境下でクラスをロードすると、アプリケーションが攻撃者に利用されて悪意のあるコマンドを実行する原因になることがあります。
Explanation
Android Class Loading Hijacking の脆弱性には、次の 2 つの形態があります。

- プログラムがクラスをロードするために検索するディレクトリの名前を攻撃者が変更可能である。攻撃者は、プログラムに自分が制御するディレクトリへのパスを参照させることで、クラスが検索されるパスを明示的に制御することになります。

- クラスがロードされる環境を攻撃者が変更可能である。攻撃者はパス名の意味を暗黙的に制御することになります。

この場合は 1 つ目の状況が最も懸念されます。攻撃者は、ロードするクラスが検索されるディレクトリを制御できる可能性があります。このタイプの Android Class Loading Hijacking の脆弱性が発生するのは、次の場合です。

1.信頼できないソースからアプリケーションにデータが入り込んだ場合。



2.データが、ロードするクラスが検索されるライブラリ ディレクトリを表す文字列 (またはその一部) として使用された場合。



3.アプリケーションがライブラリ パスのコードを実行することにより、本来付与されないはずの権限や能力を攻撃者に与えられた場合。

例 1: 次のコードでは、ユーザーが変更可能な userClassPath を使用して、ロードするクラスが検索されるディレクトリを決定します。


...
productCategory = this.getIntent().getExtras().getString("userClassPath");
DexClassLoader dexClassLoader = new DexClassLoader(productCategory, optimizedDexOutputPath.getAbsolutePath(), null, getClassLoader());
...


このコードでは、攻撃者は、制御している別のパスを参照するように userClassPath の結果を変更できるため、ライブラリをロードしてアプリケーションの任意のコードを昇格された権限で実行できます。このプログラムは環境から読み取った値の検証を行わないので、攻撃者は、userClassPath の値を制御できれば、元のアプリケーションと同じ権限を使用し、アプリケーションを操作して制御するディレクトリを参照させることで、自分が定義したクラスをロードできます。

例 2: 次のコードでは、ユーザーが変更可能な userOutput を使用して、Optimized DEX ファイルを書き込むディレクトリを決定します。


...
productCategory = this.getIntent().getExtras().getString("userOutput");
DexClassLoader dexClassLoader = new DexClassLoader(sanitizedPath, productCategory, null, getClassLoader());
...



このコードでは、攻撃者が Optimized DEX (ODEX) ファイルの出力ディレクトリを指定できます。その結果、悪意のあるユーザーが userOutput の値を、外部ストレージなど、攻撃者が制御するディレクトリに変更できます。これが実行された後は、出力される ODEX ファイルを悪意のある ODEX ファイルに置き換えるだけで、元のアプリケーションと同じ権限でこれを実行できるようになります。
References
[1] Android Class Loading Hijacking Symantec
desc.dataflow.java.android_class_loading_hijacking