入力の検証や表現の問題は、メタキャラクター、代替エンコーディング、数値表現などによって引き起こされます。セキュリティの問題は、入力を信頼することに起因します。この問題に含まれるのは、「Buffer Overflow」、「Cross-Site Scripting」攻撃、「SQL Injection」などです。
send
関数とそのバリアントを使用すると、プログラマは関数の Ruby アクセス指定子を回避できます。特に、プライベートの保護されたフィールドおよび関数にアクセスできるようになります。通常これらは許可されない動作です。paramName
URL パラメーターの変換または検証を実行しないように設定された、ブックマーク可能なビューのサンプルを示しています。
...
<bookmark>
<method>#{paramHandler.handleParams}</method>
<url-parameter>
<name>paramName</name>
<value>#{requestScope.paramName}</value>
</url-parameter>
</bookmark>
...
userClassPath
を使用して、ロードするクラスが検索されるディレクトリを決定します。
...
productCategory = this.getIntent().getExtras().getString("userClassPath");
DexClassLoader dexClassLoader = new DexClassLoader(productCategory, optimizedDexOutputPath.getAbsolutePath(), null, getClassLoader());
...
userClassPath
の結果を変更できるため、ライブラリをロードしてアプリケーションの任意のコードを昇格された権限で実行できます。このプログラムは環境から読み取った値の検証を行わないので、攻撃者は、userClassPath
の値を制御できれば、元のアプリケーションと同じ権限を使用し、アプリケーションを操作して制御するディレクトリを参照させることで、自分が定義したクラスをロードできます。userOutput
を使用して、Optimized DEX ファイルを書き込むディレクトリを決定します。
...
productCategory = this.getIntent().getExtras().getString("userOutput");
DexClassLoader dexClassLoader = new DexClassLoader(sanitizedPath, productCategory, null, getClassLoader());
...
userOutput
の値を、外部ストレージなど、攻撃者が制御するディレクトリに変更できます。これが実行された後は、出力される ODEX ファイルを悪意のある ODEX ファイルに置き換えるだけで、元のアプリケーションと同じ権限でこれを実行できるようになります。ModelState.IsValid
を使用してモデル検証の合否をチェックする。class.classLoader
のような特殊な bean プロパティにアクセスする可能性があります。
String prop = request.getParameter('prop');
String value = request.getParameter('value');
HashMap properties = new HashMap();
properties.put(prop, value);
BeanUtils.populate(user, properties);
strncpy()
など境界が定められた関数の場合も、不正に使用されると脆弱性の原因になります。メモリの操作と、データのサイズや構成に関する誤った想定が同時に発生することが、大部分の Buffer Overflow の根本的な原因です。gets()
関数を使用して、任意の量のデータをスタックバッファに読み込みます。この関数により読み込まれるデータ量を制限する方法がないので、このコードが安全かどうかは、ユーザーが常に BUFSIZE
字以下しか入力しないということにかかっています。例 1.b: この例は、
...
char buf[BUFSIZE];
gets(buf);
...
>>
演算子を使用して入力を char[]
文字列に読み込むことによって C++ の gets()
関数の危険な動作を簡単に模倣できることを示しています。例 2: これもコードの動作の制御がユーザー入力にかかっているコードの例ですが、境界のあるメモリコピー関数
...
char buf[BUFSIZE];
cin >> (buf);
...
memcpy()
の使用により、さらに間接的になっています。この関数は、コピー先バッファ、コピー元バッファ、およびコピーするバイト数を受け取ります。入力バッファには read()
への境界のあるコールが入りますが、memcpy()
がコピーするバイト数はユーザーが指定します。
...
char buf[64], in[MAX_SIZE];
printf("Enter buffer contents:\n");
read(0, in, MAX_SIZE-1);
printf("Bytes to copy:\n");
scanf("%d", &bytes);
memcpy(buf, in, bytes);
...
lccopy()
という名の関数で文字列をその引数として取り、その文字列の大文字をすべて小文字に変換した上で、文字列のヒープに割り当てられたコピーを返します。この関数では、str
は常に BUFSIZE
より小さいと想定されているため、入力に対して境界チェックが行われません。lccopy()
をコールするコードで攻撃者がチェックを回避する場合や、コードが変更された結果 str
のサイズに関する想定が正しくなくなった場合、lccopy()
は strcpy()
への境界のないコールで buf
を オーバーフローさせます。例 4: 次のコードは、コードが非常に複雑なので動作を簡単に予測できない 3 番目のシナリオを示しています。このコードは、さまざまなアプリケーションで使用されている、人気の libPNG 画像デコーダーからのものです。
char *lccopy(const char *str) {
char buf[BUFSIZE];
char *p;
strcpy(buf, str);
for (p = buf; *p; p++) {
if (isupper(*p)) {
*p = tolower(*p);
}
}
return strdup(buf);
}
png_crc_read()
. によってコピーされたデータ量を制御するために使用されます)。しかし、長さをテストする直前で、このコードは png_ptr->mode
のチェックを実行しており、このチェックが失敗した場合は警告を出して処理を継続します。length
は else if
ブロックでテストされているので、1 回目のチェックが失敗すると length
はテストされません。このため png_crc_read()
に対するコールで無条件に使用されることになり、スタック Buffer Overflow が発生する可能性があります。例 5: これも第 3 のシナリオの例で、プログラムが複雑なために Buffer Overflow の危険が生じています。この場合、危険の原因は、前の例のようにコードの構造にあるのではなく、いずれかの関数のインターフェイスが多義的であることにあります。
if (!(png_ptr->mode & PNG_HAVE_PLTE)) {
/* Should be an error, but we can cope with it */
png_warning(png_ptr, "Missing PLTE before tRNS");
}
else if (length > (png_uint_32)png_ptr->num_palette) {
png_warning(png_ptr, "Incorrect tRNS chunk length");
png_crc_finish(png_ptr, length);
return;
}
...
png_crc_read(png_ptr, readbuf, (png_size_t)length);
getUserInfo()
関数は、マルチバイト文字列として指定されたユーザー名およびユーザー情報を格納する構造体へのポインタを受け取り、ユーザーに関する情報を構造体に代入します。Windows Authentication ではユーザー名に Unicode が使用されるため、username
引数はまずマルチバイト文字列から Unicode 文字列に変換されます。次に、この関数は unicodeUser
のサイズを、文字数ではなく、誤ってバイト単位で渡しています。このため、MultiByteToWideChar()
のコールは最大で (UNLEN+1)*sizeof(WCHAR)
のワイド文字、(UNLEN+1)*sizeof(WCHAR)*sizeof(WCHAR)
バイトを unicodeUser
配列に書き込む可能性があります。これに対し、この配列には (UNLEN+1)*sizeof(WCHAR)
バイトしか割り当てられていません。username
文字列に含まれる文字数が UNLEN
字を超えている場合、MultiByteToWideChar()
のコールにより、バッファ unicodeUser
はオーバーフローします。
void getUserInfo(char *username, struct _USER_INFO_2 info){
WCHAR unicodeUser[UNLEN+1];
MultiByteToWideChar(CP_ACP, 0, username, -1,
unicodeUser, sizeof(unicodeUser));
NetUserGetInfo(NULL, unicodeUser, 2, (LPBYTE *)&info);
}
strncpy()
など境界が定められた関数の場合も、不正に使用されると脆弱性の原因になります。メモリの操作と、データのサイズや構成に関する誤った想定が同時に発生することが、大部分の Buffer Overflow の根本的な原因です。double
タイプには c
に割り当てられている以上の領域が必要であるため、次のコードでは c
がオーバーフローします。
void formatString(double d) {
char c;
scanf("%d", &c)
}
strncpy()
など境界が定められた関数の場合も、不正に使用されると脆弱性の原因になります。メモリの操作と、データのサイズや構成に関する誤った想定が同時に発生することが、大部分の Buffer Overflow の根本的な原因です。buf
がオーバーフローしますが、これは f
のサイズに応じて、Format String 指定子 "%d %.1f ... "
が割り当てられているメモリ量を超えるからです。
void formatString(int x, float f) {
char buf[40];
sprintf(buf, "%d %.1f ... ", x, f);
}
strncpy()
など境界が定められた関数の場合も、不正に使用されると脆弱性の原因になります。メモリの操作と、データのサイズや構成に関する誤った想定が同時に発生することが、大部分の Buffer Overflow の根本的な原因です。recv
によって、読み取られた最大許容数の sizeof(buf)
バイトが返された場合に発生します。この場合、その後に続く buf[nbytes]
の間接参照によって、割り当てられたメモリの境界外に null
バイトが書き込まれます。
void receive(int socket) {
char buf[MAX];
int nbytes = recv(socket, buf, sizeof(buf), 0);
buf[nbytes] = '\0';
...
}
strncpy()
など境界が定められた関数の場合も、不正に使用されると脆弱性の原因になります。メモリの操作と、データのサイズや構成に関する誤った想定が同時に発生することが、大部分の Buffer Overflow の根本的な原因です。getInputLength()
から読み取られた信頼できない値が、コピー先バッファである output
のサイズより小さいかどうかをチェックしています。しかし、len
と MAX
の比較は符号付きであるため、len
の値が負であった場合にその値が memcpy()
の符号なし引数に変換されると、非常に大きな正の数値となります。
void TypeConvert() {
char input[MAX];
char output[MAX];
fillBuffer(input);
int len = getInputLength();
if (len <= MAX) {
memcpy(output, input, len);
}
...
}
function MyController(function($stateParams, $interpolate){
var ctx = { foo : 'bar' };
var interpolated = $interpolate($stateParams.expression);
this.rendered = interpolated(ctx);
...
}
$stateParams.expression
はユーザーが制御している可能性のあるデータを取得し、これを指定されたコンテキストで使用するテンプレートとして評価します。これにより、悪意のあるユーザーはブラウザ内で目的のコードを実行できるようになり、コードが実行されているコンテキストについての情報の取得、アプリケーションの作成方法に関する追加情報の検索、または本格的な XSS 攻撃への変換を行えるようになる可能性があります。<cfinclude>
タグの template
属性を指定する文字列の一部です。 ../../users/wileyh/malicious
」などの悪意あるファイル名を入力することによって、攻撃者のホームディレクトリにあるファイルの内容が追加され実行される可能性があることを考慮していません。
<cfinclude template =
"C:\\custom\\templates\\#Form.username#.cfm">
<cfinclude>
タグによってファイルを含めるように指定できる場合、アプリケーションによりサーバーのファイル システムにあるほとんどすべてのファイルの内容を現在のページに追加させるように仕向ける可能性があります。この能力は少なくとも次の 2 つの重要な方法で利用される可能性があります。攻撃者が、ユーザーのホーム ディレクトリやよく使用されるアップロード用のディレクトリなどサーバーのファイル システムの場所に書き込むことができる場合には、アプリケーションによって悪意をもって作成されたファイルがページに追加される可能性があり、このファイルはサーバーにより実行されてしまうことになります。サーバーのファイル システムへの書き込み権限がない場合でも、サーバーにあるファイルのパスを指定することで機密情報や個人情報にアクセスできる場合があります。APPHOME
を使用してインストール先ディレクトリが決定され、指定されたディレクトリからの相対パスに基づいて初期化スクリプトが実行されます。
...
CALL FUNCTION 'REGISTRY_GET'
EXPORTING
KEY = 'APPHOME'
IMPORTING
VALUE = home.
CONCATENATE home INITCMD INTO cmd.
CALL 'SYSTEM' ID 'COMMAND' FIELD cmd ID 'TAB' FIELD TABL[].
...
Example 1
のコードでは、悪意ある INITCMD
を含んだ別のパスを参照するようにレジストリエントリ APPHOME
を変更することにより、攻撃者はアプリケーションの任意のコマンドを高い権限で実行できます。このプログラムはレジストリから読み取った値の検証を行わないので、レジストリキー APPHOME
の値を制御できれば、攻撃者はアプリケーションを操作して悪意のあるコードを実行させ、システムを支配下に置くことができます。rman
ユーティリティに対するバッチファイルラッパーを使用して Oracle データベースのバックアップを開始し、その後 cleanup.bat
スクリプトを実行して一部のテンポラリ ファイルを削除できるインターフェイスを持つ Web アプリケーションのものです。スクリプト rmanDB.bat
は、実行するバックアップのタイプを指定するコマンドライン パラメーターを 1 つ受け取ります。データベースへのアクセスが制限されているため、アプリケーションは権限を持つユーザーとしてバックアップを実行します。
...
btype = request->get_form_field( 'backuptype' )
CONCATENATE `/K 'c:\\util\\rmanDB.bat ` btype `&&c:\\util\\cleanup.bat'` INTO cmd.
CALL FUNCTION 'SXPG_COMMAND_EXECUTE_LONG'
EXPORTING
commandname = cmd_exe
long_params = cmd_string
EXCEPTIONS
no_permission = 1
command_not_found = 2
parameters_too_long = 3
security_risk = 4
OTHERS = 5.
...
backuptype
パラメーターを検証しないことです。通常、関数モジュール SXPG_COMMAND_EXECUTE_LONG
は複数のコマンドを実行しませんが、この例のプログラムは最初に cmd.exe
シェルを実行して、CALL 'SYSTEM'
を 1 回コールするだけで複数のコマンドを実行しています。呼び出されたシェルは、2 つのアンパサンドで区切られた複数のコマンドを実行できます。攻撃者が "&& del c:\\dbms\\*.*"
という形式の文字列を渡すと、アプリケーションは、プログラムにより指定された他のコマンドとともにこのコマンドを実行します。アプリケーションはその性質上、データベースとのやり取りに必要な権限で実行されています。このため、攻撃者が挿入したコマンドも、その権限で実行されます。/var/yp
ディレクトリでの make
コマンドの実行が含まれます。
...
MOVE 'make' to cmd.
CALL 'SYSTEM' ID 'COMMAND' FIELD cmd ID 'TAB' FIELD TABL[].
...
CALL 'SYSTEM'
のコールを実行する前に環境をクリーンにできていないことです。攻撃者が $PATH
変数を変更して、make
という名前の悪意あるバイナリを参照させ、攻撃者の環境でプログラムが実行されるようにすると、本来のバイナリでなく悪意あるバイナリがロードされます。アプリケーションの性質上、このバイナリはシステム操作の実行に必要な権限で実行されます。つまり、攻撃者の make
もその権限で実行されるため、攻撃者がシステムを完全に制御してしまう可能性があります。
...
var fs:FileStream = new FileStream();
fs.open(new File(String(configStream.readObject())+".txt"), FileMode.READ);
home = String(fs.readObject(home));
var cmd:String = home + INITCMD;
fscommand("exec", cmd);
...
Example 1
のコードでは、悪意ある INITCMD
を含んだ別のパスを参照するように設定ファイル configStream
の内容を変更することにより、攻撃者はアプリケーションの任意のコマンドを高い権限で実行できます。このプログラムではファイルから読み取った値の検証が実行されないため、攻撃者がこの値を制御できる場合、アプリケーションを操って悪意のあるコードを実行し、システムを制御できます。rman
ユーティリティに対するバッチファイルラッパーを使用して Oracle データベースのバックアップを開始し、その後 cleanup.bat
スクリプトを実行して一部のテンポラリ ファイルを削除できるインターフェイスを持つ Web アプリケーションのものです。スクリプト rmanDB.bat
は、実行するバックアップのタイプを指定するコマンドライン パラメーターを 1 つ受け取ります。データベースへのアクセスが制限されているため、アプリケーションは権限を持つユーザーとしてバックアップを実行します。
...
var params:Object = LoaderInfo(this.root.loaderInfo).parameters;
var btype:String = String(params["backuptype"]);
var cmd:String = "cmd.exe /K \"c:\\util\\rmanDB.bat " + btype + "&&c:\\util\\cleanup.bat\"";
fscommand("exec", cmd);
...
backuptype
パラメーターを検証しないことです。通常、関数 fscommand()
は複数のコマンドを実行しませんが、この例のプログラムは最初に cmd.exe
シェルを実行して、fscommnd()
を 1 回コールするだけで複数のコマンドを実行しています。呼び出されたシェルは、2 つのアンパサンドで区切られた複数のコマンドを実行できます。攻撃者が "&& del c:\\dbms\\*.*"
という形式の文字列を渡すと、アプリケーションは、プログラムにより指定された他のコマンドとともにこのコマンドを実行します。アプリケーションはその性質上、データベースとのやり取りに必要な権限で実行されています。このため、攻撃者が挿入したコマンドも、その権限で実行されます。/var/yp
ディレクトリでの make
コマンドの実行が含まれます。
...
fscommand("exec", "make");
...
fscommand()
のコールを実行する前に環境をクリーンにできていないことです。攻撃者が $PATH
変数を変更して、make
という名前の悪意あるバイナリを参照させ、攻撃者の環境でプログラムが実行されるようにすると、本来のバイナリでなく悪意あるバイナリがロードされます。アプリケーションの性質上、このバイナリはシステム操作の実行に必要な権限で実行されます。つまり、攻撃者の make
もその権限で実行されるため、攻撃者がシステムを完全に制御してしまう可能性があります。APPHOME
を使用してインストール先ディレクトリが決定され、指定されたディレクトリからの相対パスに基づいて初期化スクリプトが実行されます。
...
string val = Environment.GetEnvironmentVariable("APPHOME");
string cmd = val + INITCMD;
ProcessStartInfo startInfo = new ProcessStartInfo(cmd);
Process.Start(startInfo);
...
Example 1
のコードでは、悪意ある INITCMD
を含んだ別のパスを参照するようにシステムプロパティ APPHOME
を変更することにより、攻撃者はアプリケーションの任意のコマンドを昇格した権限で実行できます。このプログラムは環境から読み取った値の検証を行わないので、システムプロパティ APPHOME
の値を制御できれば、攻撃者はアプリケーションを操作して悪意のあるコードを実行させ、システムを支配下に置くことができます。rman
ユーティリティに対するバッチファイルラッパーを使用して Oracle データベースのバックアップを開始し、その後 cleanup.bat
スクリプトを実行して一部のテンポラリ ファイルを削除できるインターフェイスを持つ Web アプリケーションのものです。スクリプト rmanDB.bat
は、実行するバックアップのタイプを指定するコマンドライン パラメーターを 1 つ受け取ります。データベースへのアクセスが制限されているため、アプリケーションは権限を持つユーザーとしてバックアップを実行します。
...
string btype = BackupTypeField.Text;
string cmd = "cmd.exe /K \"c:\\util\\rmanDB.bat"
+ btype + "&&c:\\util\\cleanup.bat\""));
Process.Start(cmd);
...
BackupTypeField
をいっさい検証しないことです。通常、Process.Start()
関数は複数のコマンドを実行しませんが、この例のプログラムは最初に cmd.exe
シェルを実行して、Process.Start()
を 1 回コールするだけで複数のコマンドを実行しています。呼び出されたシェルは、2 つのアンパサンドで区切られた複数のコマンドを実行できます。攻撃者が "&& del c:\\dbms\\*.*"
という形式の文字列を渡すと、アプリケーションは、プログラムにより指定された他のコマンドとともにこのコマンドを実行します。アプリケーションはその性質上、データベースとのやり取りに必要な権限で実行されています。このため、攻撃者が挿入したコマンドも、その権限で実行されます。update.exe
コマンドの実行が含まれます。
...
Process.Start("update.exe");
...
Process.start()
のコールを実行する前に環境をクリーンにできていないことです。攻撃者が $PATH
変数を変更して、update.exe
という名前の悪意あるバイナリを参照させ、攻撃者の環境でプログラムが実行されるようにすると、本来のバイナリでなく悪意あるバイナリがロードされます。アプリケーションの性質上、このバイナリはシステム操作の実行に必要な権限で実行されます。つまり、攻撃者の update.exe
もその権限で実行されるため、攻撃者がシステムを完全に制御してしまう可能性があります。setuid root
にインストールされている、システム管理者用の学習ツールです。権限が設定されているシステム ファイルを変更したりシステムに損傷を与えたりすることができない状態で、それらのファイルをチェックすることができます。
int main(char* argc, char** argv) {
char cmd[CMD_MAX] = "/usr/bin/cat ";
strcat(cmd, argv[1]);
system(cmd);
}
root
権限で実行されるため、system()
のコールも root
権限で実行されます。ユーザーが標準的なファイル名を指定した場合、コールは想定どおりに動作します。しかし、攻撃者が ";rm -rf /"
という形の文字列を渡すと、system()
へのコールでは引数がないため cat
を実行できず、root パーティションの内容を回帰的に削除してしまいます。$APPHOME
を使用してアプリケーションのインストール先ディレクトリを判断し、そのディレクトリの初期化スクリプトを実行します。
...
char* home=getenv("APPHOME");
char* cmd=(char*)malloc(strlen(home)+strlen(INITCMD));
if (cmd) {
strcpy(cmd,home);
strcat(cmd,INITCMD);
execl(cmd, NULL);
}
...
Example 1
に例示するコードを利用すれば、攻撃者はアプリケーションの権限を高めて任意のコマンドを実行できます。この例では、攻撃者は環境変数 $APPHOME
を変更して、INITCMD
の悪意ある改変版が置かれた別のパスを指定することができます。プログラムでは環境から読み取った値を検証しないため、攻撃者は環境変数を制御することでアプリケーションを操って悪意あるコードを実行させることができます。/var/yp
ディレクトリでの make
の実行も含まれます。プログラムはパスワードレコードも更新するので setuid root
にインストールされている、ということに注意してください。make
を呼び出します。
system("cd /var/yp && make &> /dev/null");
system()
に渡される引数を制御できません。ただし、プログラムでは make
の絶対パスが指定されておらず、コマンドを呼び出す前にすべての環境変数がチェックされません。このため、攻撃者は $PATH
変数を変更して、make
という名前の悪意あるバイナリを参照させ、シェル プロンプトから CGI スクリプトを実行させることができます。また、プログラムが setuid root
にインストールされているため、攻撃者の make
は root
権限で実行されます。CreateProcess()
を直接または _spawn()
ファミリの関数のいずれかへのコールを介して呼び出す場合、実行可能ファイルまたはパスにスペースがあるときは注意が必要です。
...
LPTSTR cmdLine = _tcsdup(TEXT("C:\\Program Files\\MyApplication -L -S"));
CreateProcess(NULL, cmdLine, ...);
...
CreateProcess()
がスペースを解析する方法では、オペレーティングシステムが最初に実行を試みる実行可能ファイルは、MyApplication.exe
ではなく Program.exe
です。このため、攻撃者がシステムに Program.exe
という名前の悪意あるアプリケーションをインストールできる場合、Program Files
ディレクトリを使用して CreateProcess()
を不正にコールするプログラムは、目的のアプリケーションの代わりにこのアプリケーションを実行します。system()
、exec()
、および CreateProcess()
といった関数は、自身をコールするプログラムの環境を使用するため、攻撃者はそれらのコールの動作を変更できる可能性があります。$PATH
やその他の要素を変えることで、攻撃者がプログラムを利用して悪意のあるバイナリを実行することが可能になる場合があります。/var/yp
ディレクトリでの make
の実行も含まれます。プログラムはパスワード レコードを更新するため、setuid root
にインストールされていることに注意してください。make
を次のように呼び出します。
MOVE "cd /var/yp && make &> /dev/null" to command-line
CALL "CBL_EXEC_RUN_UNIT" USING command-line
length of command-line
run-unit-id
stack-size
flags
CBL_EXEC_RUN_UNIT
に渡す引数を制御できません。しかしプログラムは make
の絶対パスを指定せず、コマンド呼出しの前に環境変数をスクラブしないため、攻撃者は $PATH
変数が make
という名前の悪意のあるバイナリをポイントするように変更して、シェル プロンプトから CGI スクリプトを実行できます。さらに、プログラムは setuid root
にインストールされているため、攻撃者バージョンの make
は root
権限で実行されるようになります。pdfprint
コマンドを使用して印刷するファイルを含む一時ディレクトリを決定します。
DISPLAY "TEMP" UPON ENVIRONMENT-NAME
ACCEPT ws-temp-dir FROM ENVIRONMENT-VARIABLE
STRING "pdfprint " DELIMITED SIZE
ws-temp-dir DELIMITED SPACE
"/" DELIMITED SIZE
ws-pdf-filename DELIMITED SPACE
x"00" DELIMITED SIZE
INTO cmd-buffer
CALL "SYSTEM" USING cmd-buffer
pdfprint
の絶対パスを指定しないため、攻撃者は $PATH
変数が悪意のあるバイナリをポイントするように変更できます。さらに、DELIMITED SPACE
フレーズが ws-temp-dir
および ws-pdf-filename
における埋め込みスペースを防止する一方で、シェル メタ文字 (&&
など) が埋め込まれている可能性もあります。cmd
リクエストパラメーターを介して任意のコマンドを指定できてしまいます。
...
<cfset var="#url.cmd#">
<cfexecute name = "C:\windows\System32\cmd.exe"
arguments = "/c #var#"
timeout = "1"
variable="mycmd">
</cfexecute>
...
APPHOME
を使用してインストール先ディレクトリを特定し、指定されたディレクトリからの相対パスに基づいて初期化スクリプトを実行します。
...
final cmd = String.fromEnvironment('APPHOME');
await Process.run(cmd);
...
Example 1
のコードでは、悪意ある INITCMD
を含んだ別のパスを参照するようにシステムプロパティ APPHOME
を変更することにより、攻撃者はアプリケーションの任意のコマンドを昇格した権限で実行できます。このプログラムは環境から読み取った値の検証を行わないので、システムプロパティ APPHOME
の値を制御できれば、攻撃者はアプリケーションを操作して悪意のあるコードを実行させ、システムを支配下に置くことができます。
cmdName := request.FormValue("Command")
c := exec.Command(cmdName)
c.Run()
APPHOME
を使用してインストール先ディレクトリが決定され、指定されたディレクトリからの相対パスに基づいて初期化スクリプトが実行されます。
...
String home = System.getProperty("APPHOME");
String cmd = home + INITCMD;
java.lang.Runtime.getRuntime().exec(cmd);
...
Example 1
のコードでは、悪意ある INITCMD
を含んだ別のパスを参照するようにシステムプロパティ APPHOME
を変更することにより、攻撃者はアプリケーションの任意のコマンドを昇格した権限で実行できます。このプログラムは環境から読み取った値の検証を行わないので、システムプロパティ APPHOME
の値を制御できれば、攻撃者はアプリケーションを操作して悪意のあるコードを実行させ、システムを支配下に置くことができます。rman
ユーティリティに対するバッチファイルラッパーを使用して Oracle データベースのバックアップを開始し、その後 cleanup.bat
スクリプトを実行して一部のテンポラリ ファイルを削除できるインターフェイスを持つ Web アプリケーションのものです。スクリプト rmanDB.bat
は、実行するバックアップのタイプを指定するコマンドライン パラメーターを 1 つ受け取ります。データベースへのアクセスが制限されているため、アプリケーションは権限を持つユーザーとしてバックアップを実行します。
...
String btype = request.getParameter("backuptype");
String cmd = new String("cmd.exe /K
\"c:\\util\\rmanDB.bat "+btype+"&&c:\\util\\cleanup.bat\"")
System.Runtime.getRuntime().exec(cmd);
...
backuptype
パラメーターを検証しないことです。通常、関数 Runtime.exec()
は複数のコマンドを実行しませんが、この例のプログラムは最初に cmd.exe
シェルを実行して、Runtime.exec()
を 1 回コールするだけで複数のコマンドを実行しています。呼び出されたシェルは、2 つのアンパサンドで区切られた複数のコマンドを実行できます。攻撃者が "&& del c:\\dbms\\*.*"
という形式の文字列を渡すと、アプリケーションは、プログラムにより指定された他のコマンドとともにこのコマンドを実行します。アプリケーションはその性質上、データベースとのやり取りに必要な権限で実行されています。このため、攻撃者が挿入したコマンドも、その権限で実行されます。/var/yp
ディレクトリでの make
コマンドの実行が含まれます。
...
System.Runtime.getRuntime().exec("make");
...
Runtime.exec()
のコールを実行する前に環境をクリーンにできていないことです。攻撃者が $PATH
変数を変更して、make
という名前の悪意あるバイナリを参照させ、攻撃者の環境でプログラムが実行されるようにすると、本来のバイナリでなく悪意あるバイナリがロードされます。アプリケーションの性質上、このバイナリはシステム操作の実行に必要な権限で実行されます。つまり、攻撃者の make
もその権限で実行されるため、攻撃者がシステムを完全に制御してしまう可能性があります。
...
String[] cmds = this.getIntent().getStringArrayExtra("commands");
Process p = Runtime.getRuntime().exec("su");
DataOutputStream os = new DataOutputStream(p.getOutputStream());
for (String cmd : cmds) {
os.writeBytes(cmd+"\n");
}
os.writeBytes("exit\n");
os.flush();
...
APPHOME
を使用してインストール先ディレクトリが決定され、指定されたディレクトリからの相対パスに基づいて初期化スクリプトが実行されます。
var cp = require('child_process');
...
var home = process.env('APPHOME');
var cmd = home + INITCMD;
child = cp.exec(cmd, function(error, stdout, stderr){
...
});
...
Example 1
のコードでは、悪意ある INITCMD
を含んだ別のパスを参照するようにシステムプロパティ APPHOME
を変更することにより、攻撃者はアプリケーションの任意のコマンドを昇格した権限で実行できます。このプログラムは環境から読み取った値の検証を行わないので、システム プロパティ APPHOME
の値を制御できれば、攻撃者はアプリケーションを操作して悪意のあるコードを実行させ、システムを支配下に置くことができます。rman
ユーティリティに対するバッチファイル ラッパーを使用して Oracle データベースのバックアップを開始できるようにする管理用 Web アプリケーションのものです。スクリプト rmanDB.bat
は、実行するバックアップのタイプを指定するコマンドライン パラメーターを 1 つ受け取ります。データベースへのアクセスが制限されているため、アプリケーションは権限を持つユーザーとしてバックアップを実行します。
var cp = require('child_process');
var http = require('http');
var url = require('url');
function listener(request, response){
var btype = url.parse(request.url, true)['query']['backuptype'];
if (btype !== undefined){
cmd = "c:\\util\\rmanDB.bat" + btype;
cp.exec(cmd, function(error, stdout, stderr){
...
});
}
...
}
...
http.createServer(listener).listen(8080);
backuptype
パラメーターを、その存在を除いて検証しないことです。シェルが呼び出されると、複数のコマンドの実行が許可され、アプリケーションの特性により、データベースとの対話に必要な権限を使用して実行されるので、攻撃者が挿入する任意のコマンドもそれらの権限を使用して実行されることになります。/var/yp
ディレクトリでの make
コマンドの実行が含まれます。
...
require('child_process').exec("make", function(error, stdout, stderr){
...
});
...
make
の絶対パスを指定しておらず、child_process.exec()
の呼び出しを実行する前に環境をクリーニングできないことです。攻撃者が $PATH
変数を変更して、make
という名前の悪意あるバイナリを参照させ、攻撃者の環境でプログラムが実行されるようにすると、本来のバイナリでなく悪意あるバイナリがロードされます。アプリケーションの性質上、このバイナリはシステム操作の実行に必要な権限で実行されます。つまり、攻撃者の make
もその権限で実行されるため、攻撃者がシステムを完全に制御してしまう可能性があります。APPHOME
を使用してインストール先ディレクトリが決定され、指定されたディレクトリからの相対パスに基づいて初期化スクリプトが実行されます。
...
$home = $_ENV['APPHOME'];
$cmd = $home . $INITCMD;
system(cmd);
...
Example 1
のコードでは、悪意ある INITCMD
を含んだ別のパスを参照するようにシステムプロパティ APPHOME
を変更することにより、攻撃者はアプリケーションの任意のコマンドを昇格した権限で実行できます。このプログラムは環境から読み取った値の検証を行わないので、システムプロパティ APPHOME
の値を制御できれば、攻撃者はアプリケーションを操作して悪意のあるコードを実行させ、システムを支配下に置くことができます。rman
ユーティリティに対するバッチファイルラッパーを使用して Oracle データベースのバックアップを開始し、その後 cleanup.bat
スクリプトを実行して一部のテンポラリ ファイルを削除できるインターフェイスを持つ Web アプリケーションのものです。スクリプト rmanDB.bat
は、実行するバックアップのタイプを指定するコマンドライン パラメーターを 1 つ受け取ります。データベースへのアクセスが制限されているため、アプリケーションは権限を持つユーザーとしてバックアップを実行します。
...
$btype = $_GET['backuptype'];
$cmd = "cmd.exe /K \"c:\\util\\rmanDB.bat " . $btype . "&&c:\\util\\cleanup.bat\"";
system(cmd);
...
backuptype
パラメーターを検証しないことです。通常、関数 Runtime.exec()
は複数のコマンドを実行しませんが、この例のプログラムは最初に cmd.exe
シェルを実行して、Runtime.exec()
を 1 回コールするだけで複数のコマンドを実行しています。呼び出されたシェルは、2 つのアンパサンドで区切られた複数のコマンドを実行できます。攻撃者が "&& del c:\\dbms\\*.*"
という形式の文字列を渡すと、アプリケーションは、プログラムにより指定された他のコマンドとともにこのコマンドを実行します。アプリケーションはその性質上、データベースとのやり取りに必要な権限で実行されています。このため、攻撃者が挿入したコマンドも、その権限で実行されます。/var/yp
ディレクトリでの make
コマンドの実行が含まれます。
...
$result = shell_exec("make");
...
Runtime.exec()
のコールを実行する前に環境をクリーンにできていないことです。攻撃者が $PATH
変数を変更して、make
という名前の悪意あるバイナリを参照させ、攻撃者の環境でプログラムが実行されるようにすると、本来のバイナリでなく悪意あるバイナリがロードされます。アプリケーションの性質上、このバイナリはシステム操作の実行に必要な権限で実行されます。つまり、攻撃者の make
もその権限で実行されるため、攻撃者がシステムを完全に制御してしまう可能性があります。
...
CREATE PROCEDURE dbo.listFiles (@path NVARCHAR(200))
AS
DECLARE @cmd NVARCHAR(500)
SET @cmd = 'dir ' + @path
exec xp_cmdshell @cmd
GO
...
APPHOME
を使用してインストール先ディレクトリが決定され、指定されたディレクトリからの相対パスに基づいて初期化スクリプトが実行されます。
...
home = os.getenv('APPHOME')
cmd = home.join(INITCMD)
os.system(cmd);
...
Example 1
のコードでは、悪意ある INITCMD
を含んだ別のパスを参照するようにシステムプロパティ APPHOME
を変更することにより、攻撃者はアプリケーションの任意のコマンドを昇格した権限で実行できます。このプログラムは環境から読み取った値の検証を行わないので、システムプロパティ APPHOME
の値を制御できれば、攻撃者はアプリケーションを操作して悪意のあるコードを実行させ、システムを支配下に置くことができます。rman
ユーティリティに対するバッチファイルラッパーを使用して Oracle データベースのバックアップを開始し、その後 cleanup.bat
スクリプトを実行して一部のテンポラリ ファイルを削除できるインターフェイスを持つ Web アプリケーションのものです。スクリプト rmanDB.bat
は、実行するバックアップのタイプを指定するコマンドライン パラメーターを 1 つ受け取ります。データベースへのアクセスが制限されているため、アプリケーションは権限を持つユーザーとしてバックアップを実行します。
...
btype = req.field('backuptype')
cmd = "cmd.exe /K \"c:\\util\\rmanDB.bat " + btype + "&&c:\\util\\cleanup.bat\""
os.system(cmd);
...
backuptype
パラメーターを検証しないことです。通常、関数 Runtime.exec()
は複数のコマンドを実行しませんが、この例のプログラムは最初に cmd.exe
シェルを実行して、Runtime.exec()
を 1 回コールするだけで複数のコマンドを実行しています。呼び出されたシェルは、2 つのアンパサンドで区切られた複数のコマンドを実行できます。攻撃者が "&& del c:\\dbms\\*.*"
という形式の文字列を渡すと、アプリケーションは、プログラムにより指定された他のコマンドとともにこのコマンドを実行します。アプリケーションはその性質上、データベースとのやり取りに必要な権限で実行されています。このため、攻撃者が挿入したコマンドも、その権限で実行されます。/var/yp
ディレクトリでの make
コマンドの実行が含まれます。
...
result = os.system("make");
...
os.system()
のコールを実行する前に環境をクリーンにできていないことです。攻撃者が $PATH
変数を変更して、make
という名前の悪意あるバイナリを参照させ、攻撃者の環境でプログラムが実行されるようにすると、本来のバイナリでなく悪意あるバイナリがロードされます。アプリケーションの性質上、このバイナリはシステム操作の実行に必要な権限で実行されます。つまり、攻撃者の make
もその権限で実行されるため、攻撃者がシステムを完全に制御してしまう可能性があります。APPHOME
を使用してインストール先ディレクトリが決定され、指定されたディレクトリからの相対パスに基づいて初期化スクリプトが実行されます。
...
home = ENV['APPHOME']
cmd = home + INITCMD
Process.spawn(cmd)
...
Example 1
のコードでは、悪意ある INITCMD
を含んだ別のパスを参照するようにシステムプロパティ APPHOME
を変更することにより、攻撃者はアプリケーションの任意のコマンドを昇格した権限で実行できます。このプログラムは環境から読み取った値の検証を行わないので、システムプロパティ APPHOME
の値を制御できれば、攻撃者はアプリケーションを操作して悪意のあるコードを実行させ、システムを支配下に置くことができます。rman
ユーティリティに対するバッチファイルラッパーを使用して Oracle データベースのバックアップを開始し、その後 cleanup.bat
スクリプトを実行して一部のテンポラリ ファイルを削除できるインターフェイスを持つ Web アプリケーションのものです。スクリプト rmanDB.bat
は、実行するバックアップのタイプを指定するコマンドライン パラメーターを 1 つ受け取ります。データベースへのアクセスが制限されているため、アプリケーションは権限を持つユーザーとしてバックアップを実行します。
...
btype = req['backuptype']
cmd = "C:\\util\\rmanDB.bat #{btype} &&C:\\util\\cleanup.bat"
spawn(cmd)
...
backuptype
パラメーターを検証しないことです。Kernel.spawn
経由で呼び出されたシェルは、2 つのアンパサンドで区切られた複数のコマンドの実行を許可します。攻撃者が "&& del c:\\dbms\\*.*"
という形式の文字列を渡すと、アプリケーションは、プログラムにより指定された他のコマンドとともにこのコマンドを実行します。アプリケーションはその性質上、データベースとのやり取りに必要な権限で実行されています。このため、攻撃者が挿入したコマンドも、その権限で実行されます。/var/yp
ディレクトリでの make
コマンドの実行が含まれます。
...
system("make")
...
Kernel.system()
のコールを実行する前に環境をクリーンにできていないことです。攻撃者が $PATH
変数を変更して、make
という名前の悪意あるバイナリを参照させ、攻撃者の環境でプログラムが実行されるようにすると、本来のバイナリでなく悪意あるバイナリがロードされます。アプリケーションの性質上、このバイナリはシステム操作の実行に必要な権限で実行されます。つまり、攻撃者の make
もその権限で実行されるため、攻撃者がシステムを完全に制御してしまう可能性があります。
def changePassword(username: String, password: String) = Action { request =>
...
s'echo "${password}" | passwd ${username} --stdin'.!
...
}
APPHOME
を使用してインストール先ディレクトリが決定され、指定されたディレクトリからの相対パスに基づいて初期化スクリプトが実行されます。
...
Dim cmd
Dim home
home = Environ$("AppHome")
cmd = home & initCmd
Shell cmd, vbNormalFocus
...
Example 1
のコードでは、悪意ある INITCMD
を含んだ別のパスを参照するようにシステムプロパティ APPHOME
を変更することにより、攻撃者はアプリケーションの任意のコマンドを昇格した権限で実行できます。このプログラムは環境から読み取った値の検証を行わないので、システムプロパティ APPHOME
の値を制御できれば、攻撃者はアプリケーションを操作して悪意のあるコードを実行させ、システムを支配下に置くことができます。rman
ユーティリティに対するバッチファイルラッパーを使用して Oracle データベースのバックアップを開始し、その後 cleanup.bat
スクリプトを実行して一部のテンポラリ ファイルを削除できるインターフェイスを持つ Web アプリケーションのものです。スクリプト rmanDB.bat
は、実行するバックアップのタイプを指定するコマンドライン パラメーターを 1 つ受け取ります。データベースへのアクセスが制限されているため、アプリケーションは権限を持つユーザーとしてバックアップを実行します。
...
btype = Request.Form("backuptype")
cmd = "cmd.exe /K " & Chr(34) & "c:\util\rmanDB.bat " & btype & "&&c:\util\cleanup.bat" & Chr(34) & ";
Shell cmd, vbNormalFocus
...
backuptype
パラメーターを検証しないことです。呼び出されたシェルは、2 つのアンパサンドで区切られた複数のコマンドを実行できます。攻撃者が "&& del c:\\dbms\\*.*"
という形式の文字列を渡すと、アプリケーションは、プログラムにより指定された他のコマンドとともにこのコマンドを実行します。アプリケーションはその性質上、データベースとのやり取りに必要な権限で実行されています。このため、攻撃者が挿入したコマンドも、その権限で実行されます。/var/yp
ディレクトリでの make
コマンドの実行が含まれます。
...
$result = shell_exec("make");
...
Runtime.exec()
のコールを実行する前に環境をクリーンにできていないことです。攻撃者が $PATH
変数を変更して、make
という名前の悪意あるバイナリを参照させ、攻撃者の環境でプログラムが実行されるようにすると、本来のバイナリでなく悪意あるバイナリがロードされます。アプリケーションの性質上、このバイナリはシステム操作の実行に必要な権限で実行されます。つまり、攻撃者の make
もその権限で実行されるため、攻撃者がシステムを完全に制御してしまう可能性があります。
...
steps:
- run: echo "${{ github.event.pull_request.title }}"
...
github.event.pull_request.title
値が表す任意のコードを含めて、シェル スクリプトが動的に実行されます。github.event.pull_request.title
に悪意のある実行可能コードが含まれている場合、アクションによって悪意のあるコードが実行され、コマンド インジェクションが発生します。
...
string password = Request.Form["db_pass"]; //gets POST parameter 'db_pass'
SqlConnection DBconn = new SqlConnection("Data Source = myDataSource; Initial Catalog = db; User ID = myUsername; Password = " + password + ";");
...
db_pass
パラメーターを
...
password := request.FormValue("db_pass")
db, err := sql.Open("mysql", "user:" + password + "@/dbname")
...
db_pass
パラメーターを
username = req.field('username')
password = req.field('password')
...
client = MongoClient('mongodb://%s:%s@aMongoDBInstance.com/?ssl=true' % (username, password))
...
password
パラメーター
hostname = req.params['host'] #gets POST parameter 'host'
...
conn = PG::Connection.new("connect_timeout=20 dbname=app_development user=#{user} password=#{password} host=#{hostname}")
...
host
パラメーターをcontent://my.authority/messages
content://my.authority/messages/123
content://my.authority/messages/deleted
deleted
とともに msgId コードを使用することで content://my.authority/messages/deleted
を呼び出すことができます。
// "msgId" is submitted by users
Uri dataUri = Uri.parse(WeatherContentProvider.CONTENT_URI + "/" + msgId);
Cursor wCursor1 = getContentResolver().query(dataUri, null, null, null, null);
...
var params:Object = LoaderInfo(this.root.loaderInfo).parameters;
var url:String = String(params["url"]);
var ldr:Loader = new Loader();
var urlReq:URLRequest = new URLRequest(url);
ldr.load(urlReq);
...
eid
を HTTP リクエストから読み取ってユーザーに表示します。
<% String eid = request.getParameter("eid"); %>
...
Employee ID: <%= eid %>
eid
に標準の英数字テキストだけが含まれている場合に正しく動作します。eid
の値にメタ文字またはソース コードが含まれていると、Web ブラウザーが HTTP レスポンスを表示する際にコードが実行されます。
<%...
Statement stmt = conn.createStatement();
ResultSet rs = stmt.executeQuery("select * from emp where id="+eid);
if (rs != null) {
rs.next();
String name = rs.getString("name");
}
%>
Employee Name: <%= name %>
Example 1
に示すように、name
の値の動作が適切であればこのコードは正しく動作しますが、そうでない場合は悪用を阻止できません。この場合も、このコードはあまり危険がないように見えます。name
の値はデータベースから読み込まれており、データベースのコンテンツはアプリケーションによって管理されているように見えるからです。ただし、name
の値がユーザーの入力したデータに由来する場合は、データベースが悪意あるコンテンツの侵入路になることがあります。データベースに格納されている全データについて入力を適切に検証しない限り、ユーザーの Web ブラウザで攻撃者が悪意あるコマンドを実行する可能性があります。持続型 (ストアド) XSS と呼ばれるこのタイプの悪用は特に危険です。データ ストアを原因とする不正のために脅威を認識しにくく、攻撃にさらされるユーザーが増える可能性が高まるためです。XSS は、ビジターにゲストブックを提供している Web サイトで、次のような形で始まります。攻撃者がゲストブックのエントリに JavaScript を含めると、それ以降にゲストブックページを訪れたすべてのビジターが悪意あるコードを実行します。
...
WebView webview = (WebView) findViewById(R.id.webview);
webview.getSettings().setJavaScriptEnabled(true);
String url = this.getIntent().getExtras().getString("url");
webview.loadUrl(url);
...
url
の値が javascript:
から始まる場合、それに続く JavaScript コードが WebView 内の Web ページのコンテキストから実行されます。Example 1
に示すように、データが HTTP リクエストから直接読み込まれ、HTTP レスポンスに反映される場合。リフレクト XSS の悪用が発生するのは、攻撃者によりユーザーが脆弱性のある Web アプリケーションに危険な内容を入力させられてしまい、それがユーザーに送り返されて Web ブラウザにより実行される場合です。悪意ある内容を送りつけるために最もよく利用される仕組みは、公開投稿された URL や、電子メールで直接送信される URL のパラメーターに、悪意ある内容を含めるやり方です。この方法で作成された URL は多くのフィッシング方式の中核となっており、この方法で攻撃者は脆弱性のあるサイトの URL に誘い込みます。攻撃者の悪意あるコンテンツがユーザーに戻されてサイトで反映されると、そのコンテンツが実行され、セッション情報を含む可能性のある cookie などの個人情報をユーザーのマシンから攻撃者へ送信するといった悪辣な操作が実行されます。Example 2
に示すように、アプリケーションがデータベースなど信頼されているデータストアに危険なデータを格納する場合。それ以降、危険なデータがアプリケーションの読み込みに伴って戻され、動的コンテンツに含まれます。持続型 XSS の悪用が発生するのは、攻撃者が危険な内容をデータストアに挿入し、それが後で動的コンテンツに読み込まれる場合です。攻撃者の観点から見た場合、悪意ある内容の挿入に最適なのは、多数のユーザーまたは特定の対象ユーザーに対して表示される領域です。対象ユーザーは通常、アプリケーションに対する高い権限を持っているか、攻撃者にとって価値の高い機密データを操作します。こうしたユーザーが悪意ある内容を実行させられた場合、攻撃者はユーザーになりすまして権限の必要な操作を実行したり、ユーザーが所有する機密データにアクセスしたりできる可能性があります。Example 3
に示したように、アプリケーション外のソースで危険なデータがデータベースやその他のデータストアに格納され、その危険なデータが信頼されているデータとしてアプリケーションに読み込まれ、動的コンテンツに含まれる場合。message
から応答を取得し、ユーザーに表示します。
const openai = new OpenAI({
apiKey: ...,
});
const chatCompletion = await openai.chat.completions.create(...);
message = res.choices[0].message.content
console.log(chatCompletion.choices[0].message.content)
message
から応答を取得し、ユーザーに表示します。
client = openai.OpenAI()
res = client.chat.completions.create(...)
message = res.choices[0].message.content
self.writeln(f"<p>{message}<\p>")
text/html
MIME タイプを指定する必要があります。したがって、XSS が可能になるのは、レスポンスがこの MIME タイプ、またはブラウザがレスポンスを HTML として、またはスクリプトを実行する可能性のあるその他のドキュメント(SVG イメージ (image/svg+xml
) や XML ドキュメント (application/xml
) など)としてレンダリングするように強制するその他のタイプを使用する場合のみです。 application/octet-stream
のような MIME タイプのレスポンスが提供されても、HTML をレンダリングせず、スクリプトも実行しません。ただし、Internet Explorer などの一部のブラウザは、Content Sniffing
と呼ばれる機能を実行します。Content Sniffing では、提供された MIME タイプが無視され、レスポンスの内容によって正しい MIME タイプを推測しようとします。text/html
は、そのような MIME タイプの中で XSS の脆弱性を引き起こす可能性がある唯一の MIME タイプであることには注意が必要です。SVG イメージ (image/svg+xml
) や XML ドキュメント (application/xml
) など、スクリプトを実行する可能性があるその他のドキュメントは、ブラウザが Content Sniffing を実行するかどうかにかかわらず、XSS の脆弱性を引き起こす可能性があります。 <html><body><script>alert(1)</script></body></html>
などのレスポンスは、その content-type
ヘッダーが application/octet-stream
、multipart-mixed
などに設定されていても、HTML としてレンダリングできます。application/octet-stream
レスポンスにユーザー データを反映します。
@RestController
public class SomeResource {
@RequestMapping(value = "/test", produces = {MediaType.APPLICATION_OCTET_STREAM_VALUE})
public String response5(@RequestParam(value="name") String name){
return name;
}
}
name
パラメータを <html><body><script>alert(1)</script></body></html>
に設定してリクエストを送信すると、サーバは次のレスポンスを生成します。
HTTP/1.1 200 OK
Content-Length: 51
Content-Type: application/octet-stream
Connection: Closed
<html><body><script>alert(1)</script></body></html>
text/html
MIME タイプを指定する必要があります。したがって、XSS が可能になるのは、レスポンスがこの MIME タイプ、またはブラウザがレスポンスを HTML として、またはスクリプトを実行する可能性のあるその他のドキュメント(SVG イメージ (image/svg+xml
) や XML ドキュメント (application/xml
) など)としてレンダリングするように強制するその他のタイプを使用する場合のみです。 application/json
のような MIME タイプのレスポンスが提供されても、HTML をレンダリングせず、スクリプトも実行しません。ただし、Internet Explorer などの一部のブラウザは、Content Sniffing
と呼ばれる機能を実行します。Content Sniffing では、提供された MIME タイプが無視され、レスポンスの内容によって正しい MIME タイプを推測しようとします。ただし、text/html
は、そのような MIME タイプの中で XSS の脆弱性を引き起こす可能性がある唯一の MIME タイプであることには注意が必要です。SVG イメージ (image/svg+xml
) や XML ドキュメント (application/xml
) など、スクリプトを実行する可能性があるその他のドキュメントは、ブラウザが Content Sniffing を実行するかどうかにかかわらず、XSS の脆弱性を引き起こす可能性があります。 <html><body><script>alert(1)</script></body></html>
などのレスポンスは、その content-type
ヘッダーが application/json
に設定されていても HTML としてレンダリングできます。application/json
レスポンスにユーザー データを反映します。
def mylambda_handler(event, context):
name = event['name']
response = {
"statusCode": 200,
"body": "{'name': name}",
"headers": {
'Content-Type': 'application/json',
}
}
return response
name
パラメーターを <html><body><script>alert(1)</script></body></html>
に設定してリクエストを送信すると、サーバーは次のレスポンスを生成します。
HTTP/1.1 200 OK
Content-Length: 88
Content-Type: application/json
Connection: Closed
{'name': '<html><body><script>alert(1)</script></body></html>'}
eid
を HTTP リクエストから読み取り、ユーザーに表示します。
String queryString = Window.Location.getQueryString();
int pos = queryString.indexOf("eid=")+4;
HTML output = new HTML();
output.setHTML(queryString.substring(pos, queryString.length()));
eid
に標準の英数字テキストだけが含まれている場合に正しく動作します。eid
の値にメタ文字またはソース コードが含まれていると、Web ブラウザーが HTTP レスポンスを表示する際にコードが実行されます。eid
を URL から読み取ってユーザーに表示します。例 2: 次の HTML フォームを検討します。
<SCRIPT>
var pos=document.URL.indexOf("eid=")+4;
document.write(document.URL.substring(pos,document.URL.length));
</SCRIPT>
<div id="myDiv">
Employee ID: <input type="text" id="eid"><br>
...
<button>Show results</button>
</div>
<div id="resultsDiv">
...
</div>
$(document).ready(function(){
$("#myDiv").on("click", "button", function(){
var eid = $("#eid").val();
$("resultsDiv").append(eid);
...
});
});
eid
のテキスト入力からの従業員 ID に標準の英数字テキストのみが含まれる場合に正しく動作します。eid
の値にメタ文字またはソース コードが含まれていると、Web ブラウザーが HTTP レスポンスを表示する際にコードが実行されます。
let element = JSON.parse(getUntrustedInput());
ReactDOM.render(<App>
{element}
</App>);
Example 3
では、攻撃者が getUntrustedInput()
から取得した JSON オブジェクト全体を制御できる場合、React が element
をコンポーネントとしてレンダリングできるようにする可能性があります。そうして、独自の制御された値を持つ dangerouslySetInnerHTML
を使用してオブジェクトを渡すことができます。これが一般的なクロスサイトスクリプティング攻撃です。